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更新日:2012年6月1日

お清地蔵(志方町志方)

今から百五十年くらい昔のこと、志方の南町に、前田きよという人が住んでいました。たいへん親切で、信心〈しんじん〉のあつい人でしたが、文政〈ぶんせい〉八年九月二七日の夜、ふしぎな夢を見ました。

そのころ、南町から町へ出る道のはずれに小さなみぞがあって、それに石の橋がかかっていました。きよさんは、毎日のようにそこを通るのでしたが、この石の橋が地蔵となって夢の中に出てきました。
「わしは、おおむかしからこの橋の石となって人をたすけてきたが、いちおう、つとめをはたしたから、もう、おこしてほしい。これからは、地蔵として世のためになってゆきたい。」このことばを聞くと、きよさんは、「わたしのようなものに、よくおっしゃってくださいました。ありがとうございます。」と、心から感謝しました。とたんに、地蔵の姿は、すうっと消えてしまいました。

翌朝〈よくちょう〉、きよさんは、さっそく村はずれへ行きました。石橋のかっこうといい、あたりの景色といい、夢に見たのと少しもかわりません。あまりのふしぎさにびっくりし、村人に、夢の話をしました。そして、石橋を掘りおこし、すぐ傍〈そば〉に立ててまつることとしました。

この石には、もちろん、地蔵の姿も何もきざんでありません。しかし、人びとは、これを「おきよ地蔵」といい、信仰する人がだんだんふえました。今は、当番をきめ、毎朝ごはんやお水を供え、きれいなお花やお線香の煙が絶えません。

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