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ホーム > 学校・授業の教材 > 郷土の民話 > 『郷土の民話』東播編 > 毘沙門天〈びしゃもんてん〉(明石市林崎町)

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更新日:2013年2月25日

毘沙門天〈びしゃもんてん〉(明石市林崎町)

林崎に藤原太郎左近〈ふじわらのたろうさこん〉という人がいて、毎日、沖〈おき〉へ釣〈つり〉に出かけてくらしていました。ある日、小舟に乗って、鹿〈しか〉の瀬〈せ〉へ釣〈つ〉りに出かけました。つり糸をたれていると、急に、波だってきたかと思うと、海中から光がさしてきました。左近は、気味〈きみ〉が悪くなり、釣りをやめていそいで家へ帰りました。
ところが、その夜、夢〈ゆめ〉のなかで、毘沙門天〈びしゃもんてん〉があらわれ、「わたしは、長い間、海中にしずんだままで、ほっておかれています。このわたしを早く引き上げてまつってください。そうしたら、お前の家によいことがあります。」と、いうお告〈つ〉げがありました。ふしぎなことに、そのあくる晩も、また、そのつぎの日も同じ夢をみました。

左近は、三晩も同じ夢をみたので、前に釣り糸をたれていたところへ小舟をこいでいって、海の底をのぞいてみると、長さ一・五メートルもある毘沙門天が沈んでいました。
さっそく、釣り糸をたれましたが、重くて釣り上げることができず、そのままにして家へ帰ってきました。
ところが、夜、夢の中に、また、毘沙門天があらわれ、「三又〈みつまた〉のモリをもっていって突〈つ〉いたら、引き上げることができます。」と、おつげになりました。
あくる朝、もとの場所へ行って、おつげのように、モリでついてみると、なるほど毘沙門天が上がってきました。よろこんだ左近は、急いで舟をこいで帰り、三・六メートル四方くらいのわらぶきのお堂を建ててまつりました。

ふしぎなことに、モリでついた左肩〈ひだりかた〉の穴〈あな〉から、毎日お米が出てきました。左近の家はよいことがつづき、だんだんお金持ちになっていきました。
左近は、もっとたくさんお米が出たらと思い、モリでついた穴を大きくしました。
すると、あまりの欲〈よく〉ばりをおしかりになったのでしょか、それからはお米が少しも出なくなったということです。

(宝蔵寺伝・林崎村誌から)

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