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ホーム > 学校・授業の教材 > 郷土の民話 > 『郷土の民話』東播編 > おこぜと山の神(高砂市阿弥陀町長尾)

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更新日:2013年1月7日

おこぜと山の神(高砂市阿弥陀町長尾)

旧印南郡内で最も高いのは高御位山〈たかみくらやま〉です。標高三百四メートル、郡内のほぼ中央に位置し、全山、岩でおおわれています。いただきにまつられた高御位神社は、いま、少彦名命〈すくなひこなのみこと〉を祭神〈さいじん〉としていますが、この神社のおこりは、もともと、神霊〈しんれい〉の宿〈やど〉られる高い山をあがめたのだろう、ということです。

近年、社会情勢がいちじるしくかわり、信仰〈しんこう〉のかたちもちがってきました。明治・大正ごろまでは高砂附近の漁夫〈りょうし〉がよくここへおまいりしました。そして、そのときには、きまっておこぜ・・・をおそなえしました。あの、むつかしい顔をしたおこぜ・・・をどうしてお供〈そな〉えするのでしょうか。いわれを聞いてみますと、
「山の神はおこぜ・・・が好きで、これをお供えするとたいそう喜ばれる。」
ということです。病気をしたとき、願いをぜひ聞きとどけてほしいときなど、おこぜ・・・を持っておまいりすると、かならず、かなえてくださいます。村の人たちは、こうして供えられたおこぜ・・・が、干〈ひ〉からびて本殿の前に供えられているのをよく見たそうです。

このごろになると、こうした生魚〈なまうお〉もなかなか見当らなくなりました。そのかわり、おこぜ・・・を描いた小絵馬〈こえま〉がたくさん奉納されています。便宜主義〈べんぎしゅぎ〉の近代人〈きんだいじん〉の知恵が、信仰の世界にまで入りこんできた証拠〈しょうこ〉でしょう。

(『郷土志』二一)

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