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更新日:2012年6月1日
北条のふるい民謡〈みんよう〉に
親が見たけりゃ、北条の西の五百羅漢〈ごひゃくらかん〉の堂〈どう〉に御座れ〈ござれ〉
とあるように、そこには四百二十八もの石仏〈せきぶつ〉が残っています。「このたくさんの石仏の中には、親子の顔ににたものがかならずあるから、それらを失って悲しんでいる者はさがしてあってみよ、満足するであろう。」という意味です。今でも親や子を失った悲しみをいやすため、そこへ見に行く人もあります。
この五百羅漢〈ごひゃくらかん〉の石仏は大分県の耶馬渓〈やばけい〉、山梨県の共沢〈ともざわ〉の羅漢〈らかん〉とともに、全国的にしられた石仏です。つくられたのは、室町時代の末期から桃山時代にかけてのある限られた一時期のものだろうと、いわれています。
荒けずりで素朴な姿の中に、泣いているような、考えているような、歎いて〈なげいて〉いるような、怒っているような、笑っているような表情がきざまれていて、心のふるさとにふれるような感じがいたします。なつかしい人に会いたければ五百羅漢へ行って見よといわれるようになったのでしょう。
顔つきが日本人ばなれしたところがあるのも、何だかとおい昔のことを思わすものがあります。
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