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ホーム > 学校・授業の教材 > 郷土の民話 > 『郷土の民話』神戸編 > 神撫山〈かんなでやま〉(長田区)

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更新日:2012年12月10日

神撫山〈かんなでやま〉(長田区)

長田区と須磨区のさかいに高取山という山があります。この山はむかし神撫山〈かんなでやま〉といいました。この名前のいわれは、つぎのように伝えられています。
ずっとむかし、神功皇后が三韓征伐〈さんかんせいばつ〉に勝って帰国し、大和へ入る途中にこの地に上陸しました。このとき、そこにあった磐座〈いわくら〉(神の宿〈やど〉る石)の頭を撫〈な〉でると、ふしぎにもたちまち高い山になりました。そこでこの山を神撫山というようになったのです。

また、このような話もあります。高取山はつい最近まで鷹取〈たかとり〉山とかいていました。この鷹取のいわれです。
この山にはたくさんの鷹がいました。そこで鷹をとるために巣を仕掛けて鷹をたくさん取ったので鷹取山というのです。
もっと、おもしろい話もあります。
高取山はもとは蛸取山〈たことりやま〉だったのです。むかし、このあたりは海でした。高取山は海の中の島だったので、この島から釣竿をたれて蛸を取りました。だからこの山を蛸取山というのです。

みなさんは、この話のどれがほんとうの話と思いますか。伝説は、ほんとうかうそかを考えなくてもよいのです。けれども、高取山のあたりが海だったころには、人間は住んでいなかったことが地質学でわかっています。
神撫山というのは、神奈備山〈かんなびやま〉ということばがなまったものと考えられます。
神奈備山は、「神さまのおりてやどる山」という意味です。おおむかしの人たちの信仰がしのばれる名前です。まえにかいた磐座のことからも、この地が古くから神まつりの場所だったことが思われます。その山のふもとに長田神社がまつられているのも、しごくあたりまえのことかも知れません。

(『摂陽群談』)

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