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ホーム > 学校・授業の教材 > 郷土の民話 > 『郷土の民話』神戸編 > ニワトリと長田神社(長田区)

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更新日:2012年7月10日

ニワトリと長田神社(長田区)

長田神社には古くからニワトリについての信仰があります。これは長田大明神が、ニワトリ
「鶏〈にわとり〉の声聞ゆる里は吾〈われ〉有縁〈うえん〉の地なり」(ニワトリの声のきこえる村は、自分と縁の深い土地である)と、いわれたことによると伝えられています。氏子はニワトリを神のおつかいとしてたいせつにし、害を加えることはもちろん、ニワトリの肉は食べず、女の人はニワトリの羽毛〈はねげ〉でお歯黒〈はぐろ〉をそめることさえもしなかったといいます。


むかし、長田神社がつくって配った「摂津〈せっつ〉本宮長田大明神御利生〈ごりしょう〉」という書き物にはふしぎな利益があることをあげています。つぎの四つの話がその一部です。


(1)淡路の国の上山村に、千太郎(十九才)、なお(十七才)という夫婦が住んでいました。この二人はらい病にかかり苦しんでいました。そこで、一生、鳥類を絶〈た〉って長田神社に信心しました。そのけなげな神社信仰に長田大明神は二人のらい病をなおされました。
(2)兵庫の新在家町に明石屋喜兵衛〈あかしやきへえ〉という男がいました。この男は、長田の松原で、酒をのんだいきおいで鳥さしの遊びをしておりました。すると、突然、気が狂い、とうとう一生、気狂いのままであったといいます。
(3)長田神社の氏子である長田村の庄三郎のむすこ伊兵衛という人が、大阪南瓦屋町の土人形師のところへ奉公にあがりました。そこで、鳩〈はと〉の人形をこしきゅうりらえたところ、たちどころに両手が動かなくなってしまいました。
(4)長田神社の氏子である須磨村で、鳩〈はと〉の糞〈ふん〉を瓜〈うり〉の肥料にしたところ、鳩の形の瓜ができました。

 

このように、ふしぎな話はあまりたくさんありすぎて紹介しつくせません。
いまでも、長田神社ではニワトリをたいせつにしていますが、太平洋戦争前には、境内〈けいだい〉にはなし飼〈が〉いにしてあり、参拝の外国人たちも“チキンテンプル”とよんで親しんでいました。(『長田神社點描』)

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