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ホーム > 学校・授業の教材 > 郷土の民話 > 『郷土の民話』神戸編 > 匂〈におい〉の梅(長田区)

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更新日:2012年10月15日

匂〈におい〉の梅(長田区)

平安時代の前期に宇多〈うだ〉天皇・醍醐〈だいご〉天皇のあつい信任をうけて出世した菅原道真〈すがはらみちざね〉は、延喜〈えんぎ〉元年(九〇一年)に藤原時平のざん言によって、太宰権帥〈だざいごんのそつ〉に左遷〈させん〉され、悲しみのうちに都をたって九州へむかいました。
その途中、はげしい風波にあい苦難〈くなん〉の旅をつづけたのでした。大輪田〈おおわだ〉の泊〈とまり〉についたときも、嵐〈あらし〉のあとでした。ほっと一息ついた道真のもとに、かぐわしいにおいがただよってきました。
「なんと、いいにおいだろう。このにおいはどこからきているのか。」
と、においの源〈みなもと〉をたずねて歩かれました。そして、真野〈まの〉の継橋〈つぎはし〉の北にある一本の梅の木にたどりつきました。
「ああ、この梅がかぐわしいにおいをおくっていたのですか。」
と感嘆〈かんたん〉の声をあげ、歌を一首よまれました。

風寒み雪にまがえて咲く花の 袖〈そで〉にぞうつれ匂〈にお〉う梅が香

土地の人びとは、これを名誉〈めいよ〉なこととして、この地に歌碑〈かひ〉を建てて道真公をしのんだといいます。
いまも、苅藻〈かるも〉中学校の東向かいに菅原道真をまつる祠〈ほこら〉があり、町名にも梅ヶ香町として名残りをとどめています。

(『西摂大観』)

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