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ホーム > 学校・授業の教材 > 『郷土の民話』中播編 > 八つ目いたち(姫路市北条)

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更新日:2013年2月18日

八つ目いたち(姫路市北条)

むかしむかし、姫路市北条〈ほうじょう〉の天満〈てんま〉神社と飾磨区三宅〈しかまくみやけ〉の八の宮との間は、いちめんにうっそうとしたやぶ・・が続いていました。このやぶ・・には、らんらんとかがやく八つの目をもち、数百年も生きながらえてきた大いたち・・・がすんでいて、田畑の作物を荒〈あら〉していました。

村人たちは、くる年もくる年も荒される田畑を眺め、だれいうともなく、これは神様のおいかりではないか、とささやき合い、だんだんそう信じるようになりました。ふたり三人集まれば、どうすれば神様の気持ちをなぐさめることができるだろうかと、いろいろ相談しましたがなかなかいいちえがうかびません。
そこで、とうとう、氏神様に参って神様にじかに聞こうということになり、村人たちはそろってでかけました。
神前で、村人たちがいっ心においのりしていると、急にあたりが暗くなり、
「毎年、村の中で、長男と長女の子どもを選び、それに、もち米のぬか二斗四升〈しょう〉(約三・六キログラム)をそえて、神様にお供〈そな〉えすると救ってやろう。」
というお告〈つ〉げが聞こえてきました。
村人たちは村に帰ってさっそくくじをこしらえ、神様にささげる二人の子どもを決めました。くじにあたった氏子の家では泣く泣く子どもをさし出し、もち米のぬかも用意してお告〈つ〉げのとおり神様に供〈そな〉えました。すると、ふしぎなことにその年は田畑の作物は荒されず、村人たちは大へんよろこびました。そこで、その年からあと、毎年お告げのとおり神様にお供えを続けましたが、もし、一年でもそれをおこたると、たちまち前のように田畑が荒されました。

ところが、あるとき、三野〈みの〉という虚無僧〈こむそう〉がこの村にきて、この話を聞き、
「そもそも人を守るはずの神さまが、人をくうわけがない。これはきっと妖怪変化〈ようかいへんげ〉のしわざにちがいない。わたしがかならず退治〈たいじ〉してみせましょう。」
といって、弓矢をもってやぶ・・の中に入りました。そして待ちうけていますと、はたして妖怪〈ようかい〉があらわれましたので、妖怪めがけて矢を放ち、数時間のたたかいののちとうとう退治しました。傷〈きず〉だらけになってたおれているこの妖怪をよく見ますと、それは八つの目をもった年経〈へ〉た恐しい大いたち・・・でした。村人たちは大へんよろこび、この虚無僧を正覚院〈しょうかくいん〉という寺に住まわせました。今、天満神社の前にある三野塚〈みのづか〉は、この虚無僧を葬〈ほうむ〉った塚だと伝えられています。

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