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ホーム > 学校・授業の教材 > 郷土の民話 > 『郷土の民話』阪神編 > 武庫川にまつわる伝説二つ(西宮市)

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更新日:2012年6月1日

武庫川にまつわる伝説二つ(西宮市)

1.うるしが淵〈ぶち〉

武庫川は、生瀬付近〈なまぜふきん〉でゆるやかにカーブをはじめますが、ちょうど木の元地蔵の下あたりで、ほとんど直角といっていいぐらいにはげしくまがっています。今では新しい住宅地としてひらけていますが、少し前までは、“うるしが淵〈うるしがぶち〉”といって川底に主〈ぬし〉がいて、川の水をよごされるとひどくおこり、よごした人をおぼれさすといっておそれられていました。そのせいか毎年夏になると、このふちで何人かの水死者がでました。川の曲り角はそぎ立ったがけと、松林にはさまれ景色のいいところですが、水はよどんでいかにも主のいそうなところです。かつては地元の青年団が毎年夏には見張りをしていたそうです。

2.高座岩〈こうざいわ〉

うるしが淵から上流六、七百メートルの所に地図にも記入されている大きな岩があります。この岩は高座岩とよばれています。
この岩の下には竜宮城〈りゅうぐうじょう〉に通じる道がついていて、川底のお城を抜け出した乙姫〈おとひめ〉さまが、よくこの岩の上で遊んでいました。この乙姫さまもきれい好きだったとみえて、人間どもが岩の上をよごすと大へん腹を立て、天に命じて雨を降らせながら、美しいきもののすそをはしより、たすきがけで岩のそうじをするのでした。村人たちは、にわか雨が降ると、「ああ、また乙姫さまが、岩のおそうじをしているな。」と考えたものでした。

ある年のことでした。カンカン照りの日が続いて水がなくなり、人びとはたいへん困りました。みんなよりあつまって相談した結果、高座岩をわざとよごして乙姫さまを、おこらせようということになりました。村人たちは、白馬の首をきりおとして岩の上におき、その血をドロドロにぬりつけました。この心ないしわざに乙姫さまは大へんにおこりました。そして、大雨を降らせて白馬の首と血をさっぱりと洗いおとしました。村人たちの思っていたとおりになったのです。
それから後、日照りが続くときには、高座岩に白馬の首をそなえて雨ごいするようになったということです。

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