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丸木スマ(1875–1956)は、広島県生まれ。1948年、家族のすすめで、73歳から絵を描き始めました。身近な自然や生き物を描き、1950年以降、女流画家協会展や再興日本美術院展などに入選。専門的な美術教育を受けていない高齢の女性が、異例の画壇デビューを飾ったことは、当時の美術界に大きな衝撃を与えました。 華々しい快挙を成し遂げたスマですが、そのわずか数年前、70歳のときに広島に原爆が投下され、スマは爆心地から2.5キロメートルで被爆しました。奇跡的に生き延びますが、その翌年には夫と死別するなど、過酷な人生の局面を迎えます。そして終戦から3年後、スマは絵筆をとり、81歳で没するまでの間、ひたすらに描き続けたのです。 同展では、初期から晩年までの作品や関係資料を、約130点のボリュームで紹介します。自由奔放でユーモラス、ときに目がくらむほど色鮮やか──多くの失われた命を目の当たりにした彼女が描いた、草、花、生き物、そして人々の姿。生命力に溢れた絵の数々は、複雑な現代社会を生きる私たちへの力強いエールとなることでしょう。
愛娘・麗子の肖像画で知られ、日本の近代美術史を代表する画家の一人である岸田劉生(1891-1929)。 黒田清輝の洋画研究所で外光派の表現を学び、雑誌『白樺』に紹介されたゴッホなど後期印象派の作品に強く感銘を受け画風が変化、北方ルネサンスの細密な写実表現を経て、中国の宋元画や肉筆浮世絵といった東洋画への傾倒へと至るまで、わずか38年の短い生涯で、日本画や油彩画といった洋の東西を超えた多彩な作品を描きました。 同展では、岸田劉生の生誕135年を記念し、4年ぶりの展示となる《麗子肖像》をはじめとする肖像画、京都時代の日本画、晩年の静物画など、同館所蔵の劉生作品を一堂に公開いたします。またコレクションより、武者小路実篤ら白樺派文化人との交友を示す《白樺同人寄書帖》、富本憲吉、梅原龍三郎、中川一政など、劉生と関りの深い同時代の作家作品もあわせてご覧いただきます。 山王美術館でしか出会うことのできない作品の数々を、どうぞお楽しみください。
国立国際美術館では、2026年7月19日(日)から11月3日(火・祝)まで、特別展「笹本晃 ラボラトリー」を開催いたします。本展は、2025年に東京都現代美術館にて開催された展覧会を元に、当館コレクション作品を加えるなど内容を一部再構成するものです。 笹本晃は、彫刻的な思考と身体表現とを行き来しながら制作を続けてきました。糸や管、日用品、音、言葉といった多様な要素を組み合わせて空間を組み立て、思考や感情が行き交う回路のようなインスタレーションを構築します。さらに、自らその空間に入り込み、語りや動作を交えたパフォーマンスを行うことで、作品は固定されたものではなく、時間とともに変化し続ける「出来事」として展開されます。あらかじめ完成された形を提示するのではなく、出来事が生まれる過程そのものを含めて提示する点に、笹本の大きな特徴があります。 その関心は、個人的な記憶や日常の癖といった身近な領域から、近年では自然現象や生態系の観察へと広がっています。軽やかな語り口と複雑に構成された装置が重なり合うことで、作品はユーモアと緊張感を併せ持ちながら展開されます。空間に配置されたオブジェク…
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