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イタリア北部の都市ボローニャでは、1964年以来毎年世界で唯一の子どもの本専門の国際見本市「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」が開催されています。期間中には絵本に関する多くのイベントも行われ、絵本作家や編集者など3万人以上が世界各地から来場します。1976年に見本市で絵本原画のコンクールが始まりました。5点1組のイラストを用意すれば誰でも応募できる公募展で、絵本の専門家である審査員たちによって、すでに絵本として発表された作品も未発表のものも全て公平に審査されます。コンクールでの入選を機に作家としての一歩を踏み出す人も多く、絵本作家の登竜門として親しまれています。今年は94カ国・地域から4,158組の応募があり、日本人7人を含む33カ国・地域の75組が入選を果たしました。 同館では、入選作品を紹介する「ボローニャ国際絵本原画展(ボローニャ展)」を、1978年から毎年恒例の展覧会として開催しています。作品には現代を生きるイラストレーター達からの様々なメッセージが込められています。世界各地から集まった絵本原画の「今」をお楽しみください。 入選作の他にも特別展示として、2025年にS…
国立国際美術館では、2026年7月19日(日)から11月3日(火・祝)まで、特別展「笹本晃 ラボラトリー」を開催いたします。本展は、2025年に東京都現代美術館にて開催された展覧会を元に、当館コレクション作品を加えるなど内容を一部再構成するものです。 笹本晃は、彫刻的な思考と身体表現とを行き来しながら制作を続けてきました。糸や管、日用品、音、言葉といった多様な要素を組み合わせて空間を組み立て、思考や感情が行き交う回路のようなインスタレーションを構築します。さらに、自らその空間に入り込み、語りや動作を交えたパフォーマンスを行うことで、作品は固定されたものではなく、時間とともに変化し続ける「出来事」として展開されます。あらかじめ完成された形を提示するのではなく、出来事が生まれる過程そのものを含めて提示する点に、笹本の大きな特徴があります。 その関心は、個人的な記憶や日常の癖といった身近な領域から、近年では自然現象や生態系の観察へと広がっています。軽やかな語り口と複雑に構成された装置が重なり合うことで、作品はユーモアと緊張感を併せ持ちながら展開されます。空間に配置されたオブジェク…
あなたはアントニオ・フォンタネージという画家を知っていますか? 全く知らない、という人もいるでしょう。美術に関心のある方ならば「明治時代に西洋絵画を教えたお雇い外国人」と答えるかもしれません。また洋画に詳しい方ならば浅井忠や小山正太郎の先生としての姿や、高橋由一との交友を思い浮かべるかもしれません。こうした反応が示すのは、第一にフォンタネージの名前が十分に知られていない、ということ。そして知っている人にとっても、お雇い外国人としてのイメージが強い、ということです。 英雄ガリバルディの下でイタリア独立戦争に身を投じた兵士。ジュネーヴの都市風景を巧みに表した石版画家。パリのサロンに作品を発表し、当地でミレーやコローを研究するモダンな画家。ロンドンに滞在して版画を制作しつつ、ターナーやコンスタブルを吸収する旅人。フィレンツェの若手画家たちに信頼されるベテラン。南仏の田舎道を友人と歩く風景画家。トリノでも東京でも教え子から慕われる教育者。これらはすべて、「アントニオ・フォンタネージ」というひとりの人間の側面です。何度も同じ主題を取り上げつつ、理想の風景を絵画にしようとする姿勢、都市の…
大阪歴史博物館にて、2026年7月8日(水)から8月31日(月)の期間、豊臣秀吉の弟・秀長(ひでなが)を主役としてその実像に迫る2026年大河ドラマと連動したNHK大河ドラマ特別展「豊臣兄弟!」を開催いたします。 2026年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」は、「彼が長生きしていれば豊臣家の天下は安泰だった」とまで言わしめた豊臣秀長の目線で、戦国時代をダイナミックに描く物語です。本展覧会ではドラマと連動し、これまであまり光の当たることがなかった秀長の人となり、兄・秀吉の天下一統を支えた数々の功績を貴重な歴史資料から読み解いていきます。兄弟が仕えた織田信長、臣従させた大大名・徳川家康、家臣として重用した黒田官兵衛、藤堂高虎など名だたる武将たち、文化面のブレーンとなった千利休、豊臣家の最期を見届けた家族の高台院(秀吉の正妻)らゆかりの品々をはじめ貴重な歴史資料を紹介します。
カール・ヴァルザーは、20世紀前半に活躍したスイスの美術家です。20歳代からの約四半世紀をドイツの首都ベルリンで過ごし、象徴主義や印象主義など新しい芸術潮流に触れながら、優美な線や色彩に深い意味を潜ませた、独自の画風を築きました。画家として、当時最先端の美術団体であったベルリン分離派の中枢を担う一方で、新進気鋭の演出家マックス・ラインハルトと協働するなど、舞台美術家としても活躍。書籍の挿絵や室内装飾、壁画も手がけました。1908年(明治41)には日本へ旅行し、京都の宮津をはじめ各地に滞在。歌舞伎や祭など、明治期の日本の風俗や風景を生き生きと描いています。生前の人気にもかかわらず長らく歴史の闇に埋もれていたヴァルザーは、祖国スイスでも近年に再評価が始まったばかりです。 本展は日本初の回顧展であり、出品作すべてが日本初公開です。スイス絵画の異才、ヴァルザーの創作の軌跡を、絵画や素描など約150点の作品でご覧ください。
昭和の「キャバレー王」として知られる福富太郎(ふくとみ・たろう 1931-2018)は、1964年の東京オリンピック開催による好景気を背景に、全国各地に44店舗ものキャバレー(舞台のショーを見たり、会話を愉しみながら飲食をおこなう娯楽施設)を展開した実業家です。時代の波に乗り事業を成功させる一方、父親の影響で少年期から美術に興味を持っていた福富は、やがて鏑木清方(かぶらき・きよかた)作品との出逢いをきっかけに、美術品の蒐集に熱中していきます。 コレクターの福富は、その作品が有名な作家だけでなく、当時一般にはあまり知られていない作家のものであっても、自身の眼で見て、良質であると信じた作品はコレクションに加えました。またコレクションに関連する資料や情報を熱心に集めて理解を深め、美術に関する文筆活動など、積極的な情報発信にも取り組みました。結果として、長らく埋もれていた作家が再評価される際や、ひとつの時代の特色について考察をおこなう展覧会において、福富が蒐集した作品の重要性が注目されるようになりました。 本展は、独自の信念のもと作品を追い求めた福富太郎の審美眼に焦点をあて、他に類を見…
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