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更新日:2013年3月11日
ある日、庄屋〈しょうや〉が呼ばれて殿様〈とのさま〉のところへまいりますと、殿様は庄屋に、なるべくたくさんの茶の実〈み〉をあつめてくるようにといいつけました。
少し、耳のとおい庄屋は、「茶の実」を「茶飲み」と聞きちがえて、さっそく茶飲みをさがしました。
妙〈みょう〉なもので、たちまち、「わたしは、お茶を五合(〇・九リットル)飲みます。」「いや、わたしは一升ぐらい(一・八リットル)飲みます。」というのが、四、五人もでてきました。
庄屋は、この人たちを引きつれて殿様の前へいきました。殿様は驚いて、「そんなものが生〈は〉えるか。」と、お叱りになりました。庄屋が困っているのをみて、茶飲みどもは、「はい、はい、ボツ、ボツはえます。」といって両手をついて、畳〈たたみ〉の上を、ガサガサはいました。
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