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ホーム > 学校・授業の教材 > 郷土の民話 > 『郷土の民話』西播編 > ジャンギリ騒〈さわ〉ぎ(佐用郡)

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更新日:2013年2月18日

ジャンギリ騒〈さわ〉ぎ(佐用郡)

御一新〈ごいっしん〉ののち、断髪令〈だんぱつれい〉が出たのは明治四年のことですが、なにしろ昔からの長い習慣になっていることもあって、チョンマゲには未練〈みれん〉がのこり実行はおくれがちになっていました。佐用郡でも山間の村ではまだ切っていない者がたくさんありました。

ある日のこと、役人だという八字ひげの男が村へ入ってきて、いばり散らしていうことに、「どうじゃ、この村の者は皆おかみのおたっしのとおり髪〈かみ〉を切ったか。おれはそれを検査〈けんさ〉するためにきたのじゃが、村中の男をみなしらべるから、残らずここへ集ってこい。」といいました。このころの役人といえば、それはそれはえらい権力〈けんりょく〉をもっていました。
さあ大へん、たいていの男は山や畑へ仕事に出ています。女たちは、早くこのことを知らせなくては、何も知らずに戻ってきて、役人に見つけられたら大へんじゃとあわてさわぎ、それぞれはさみを持って男をさがしに行き、いきなりチョンマゲを切ってやっと役人の前へつれて行きました。
まあまあ検査も終り、役人はつぎの村へ巡回して行ったので、みんな顔を見合わせてホッとひと息ついたのですが、あとになってこの役人はにせ者であることがわかりました。
となり村で何かの拍子にばけの皮があらわれたのです。腹をたてた村人はののしるやら、なぐるけるやらで、にせ役人は命からがら逃げ去ったといいます。
「エィッ、ばかばかしい、えらい目にあわされたものじゃ。」
と地団駄〈ぢだんだ〉ふんでくやしがりました。が、この騒ぎのおかげでやっとでチョンマゲは、なくなったということです。

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