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ホーム > 学校・授業の教材 > 郷土の民話 > 『郷土の民話』西播編 > 菜〈な〉・食わずの祭〈まつ〉り(揖保川町)

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更新日:2013年2月4日

菜〈な〉・食わずの祭〈まつ〉り(揖保川町)

今から、およそ二百年の昔〈むかし〉、真言宗〈しんごんしゅう〉という仏教〈ぶっきょう〉をひらかれた弘法大師〈こうぼうだいし〉が、国々〈くにぐに〉を行脚〈あんぎゃ〉されました。
ある年の十月、このお方〈かた〉が、神部〈かんべ〉神社(揖保川町北山〈きたやま〉にある)のお祭〈まつ〉りの日、そばを通られました。
道ばたの小川の流れに、一人の婦人〈ふじん〉が菜〈な〉を洗っているのをごらんになり、
「その菜〈な〉をわけてください。」
と乞〈こ〉われました。ところが婦人は、これを惜しみ、
「これには毒〈どく〉があって、食〈た〉べられません。」
とことわりました。

さて、このことがあってから、神部神社の秋祭り(毎年十月の第二午〈うま〉の日に行なわれる)に野菜を食べた者は、たちまち腹〈はら〉いたを起〈おこ〉し、七転八倒〈しちてんばっとう〉の苦〈くる〉しみにあうということです。
「菜を食べたら罰〈ばち〉があたる。」
「菜を惜しんだので神さまのお怒〈いか〉りだ。」
「なんで食べたらあかんのや?」
今にいたるまで、このあたりでは、この日だけは野菜を食べません。菜食〈なく〉わずの祭りがつづいています。

野菜と腹いたの関係〈かんけい〉は、はっきりしていませんが、ここ神部神社の祭神はお二人あります。大国主命〈おおくにぬしのみこと〉と少名彦名命〈すくなひこなのみこと〉で、古事記〈こじき〉(わが国で一番古い歴史〈きれし〉書)によれば、少名彦名命は、医薬〈いやく〉、まじない・・・・のの方法を始められたお方で、大国主命(大黒〈だいこく〉さま)に力をあわせて、国土〈こくど〉をおさめられた。とあります。
「腹いた」は、食べてはいけないという神さまのお告〈つ〉げでしょうか。あるいはお怒〈いか〉りでしょうか。

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