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ホーム > 学校・授業の教材 > 郷土の民話 > 『郷土の民話』西播編 > おいしい食〈た〉べもの(相生市)

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更新日:2013年2月4日

おいしい食〈た〉べもの(相生市)

むかし、あるとき、殿さまが鷹狩〈たかがり〉に出ました。
あちこち山の中を走り歩いているうち、とうとう家来〈けらい〉にはぐれてしまいました。
おひるもとうに過ぎていました。朝から走り回っていたので、殿さまは腹がすいてしかたがありません。ふと、谷間に農家があるのをみつけ、たち寄ってひる飯を出すように所望〈しょもう〉(頼む)しました。
農家の主人は、これが殿さまとは知りません。もとより殿さまの召し上がるようなものがあるはずがありません。それで、ありあわせの黒い麦めしにおこうこ(たくあん)をそえて出しました。
おなかのすいた殿さまは、うまい、うまいとおかわりまでして食べました。
そのうち家来がやってきて、殿さまはお城にかえりました。

お城ではいつものとおり、いろいろのごちそうが出ます。が、少しもおいしくありません。
「まずい、まずい。あの百しょうが出したような、おいしいのを作れ。」
家老が進み出て、おそるおそるいいました。
「百しょうの食べるものには、下肥〈しもごえ〉(大便や小便を集め、よくくさらせた肥料〈ひりょう〉)というものをつかっているのでおいしいのですが、殿さまの召し上るものには、そのようなものをかけておりませんので。」
「なに、下肥をかけていないからまずい。すぐそれを持ってきて、これに二、三ばいかけろ。」

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