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ホーム > 学校・授業の教材 > 郷土の民話 > 『郷土の民話』西播編 > 播磨〈はりま〉一の宮(一宮町)

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更新日:2012年11月26日

播磨〈はりま〉一の宮(一宮町)

揖保川の上流宍粟郡一宮町に、播磨〈はりま〉一の宮(伊和〈いわ〉神社)という古くからのお社〈やしろ〉があります。
昔、大己貴神〈おおなむちのかみ〉という国造りの神様がありました。出雲の国からこの地の伊和郷〈いわのさと〉にこられました。
ところが、天日槍〈あめのひぼこ〉という神様もこの国にこられ、二人は、この国を自分の領地にしようとして争いをなさいました。長い間たたかいましたが、どちらも強くて勝負がつきません。
そこでお二方〈ふたかた〉は、
「山の頂上に登って、それぞれ三条ずつの葛〈かづら〉をとり、その先に石を結びつけてなげとばし、落ちたところを自分のおさめる国にしようではないか。」
と、話し合われました。
大己貴神のなげた葛のひとつは、揖保川沿いの地に落ちましたが、天日槍の葛は、全部但馬〈たじま〉の方に落ちました。天日槍は但馬へいかれることになりました。
いずれも国造りの神様とされています。
やっと国占〈じ〉め争いに勝たれた大己貴神は、「わが事業はおわった。ここに自分の柩〈ひつぎ〉をおさめよう。」とおおせられました。この地を於和〈おわ〉といい、それが伊和村となって、ながく神様をまつる地となりました。播磨第一のお宮ということで、一の宮神社(伊和神社)といわれています。
このお宮は神社には珍しく、北の方を向いて建てられてあります。
そのいわれは、伊和郷の人びとの夢に「ここにわれを祀〈まつ〉れ」という神のお告〈つ〉げがあり、ふしぎに思った里びとたちが翌朝起き出てみると、一夜のうちにこのあたり一帯に杉や桧〈ひのき〉が生い繁り、空にはたくさんの鶴〈つる〉が舞っていて、その中に二羽の鶴が北向きに眠っていました。
これこそ神のお告げにちがいないと、その所に、北向きにご神殿を建ててお祭りしたのが、伊和神社のおこりであるといいます。
伊和神社の本殿は出雲の方にむかって建ち、社殿の建てかたも大社造〈たいしゃづくり〉になっています。きっと、大己貴神が出雲の神様であるので、その故郷の方を向いておられ、また社殿も故郷の様式をとり入れるよう希望されたのでしょう。
今も鶴の眠っていた石は、「鶴石」といってお社の後ろにあります。

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