• お問い合わせ
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • サイトマップ
  • 携帯サイト

メニュー

ホーム > 学校・授業の教材 > 郷土の民話 > 『郷土の民話』西播編 > みつぎれじぞう(神岡町沢田)

ここから本文です。

更新日:2012年11月26日

みつぎれじぞう(神岡町沢田)

このおじぞうさんは、からだが、頭・胴〈どう〉・足のみっつにわかれている、たいへんめずらしいおじぞうさんです。たいへんふるいおじぞうさんなのか、顔は、はっきりしませんが、じっとみていると、のみのあとが、やさしそうな目もとをきざんでいます。

むかし、このへんいったいに大水が出たときのことです。はげしい雨もやんで、川の水かさもへりはじめたころ、村人が土手にあがってみました。すると、川上から、ちいさなお堂のようなものがあおむけになって流れてくるのがみえました。ふしんに思った村人が、引きあげてみると、おじぞうさんのお堂でした。中をあけてみると、みっつにきれているおじぞうさんが、ころっころっと出てきました。

「もったいない、もったいない、おじぞうさんがずぶぬれになって。」
「このまま、村へ持ってかえって、おまつりしよう。」
「いやいや、そんなことをしたら、ばちがあたるかもしれん。」
と、口ぐちにいいあっていましたが、もういちど川へ流すことにきまりました。お堂の中に、ていねいにいれられたおじぞうさんは、ふたたび川へもどされました。
しばらくお堂のゆくへを見まもっていた村人たちが、かえりかけようとすると、どうでしょう。いままで、川下へ流れていたお堂が、どんどん川をのぼってくるではありませんか。おどろいた村人たちは、口ぐちに
「えらいこっちゃ、おじぞうさんが、川をのぼってくる。」
「どんどんくるで、これは、この村でおまつりせにゃ。」
「そうや、そうや、そうや、村へ持って帰って、みんなでおまつりせにゃ。」
といいながら、おじぞうさんをだいじに持ちかえり、村の小高い広場におまつりしました。村人たちは、川をさかのぼってくるおじぞうさんは、たいへんありがたいおじぞうさんだ、ごりやくも大きいだろうと、このみつぎれじぞうをだいじにまもりつづけました。
そのためか、この村からは、わるい病気もなくなり、みんななかよくくらせたということです。
その話をきいたほかの村の人たちも、このみつぎれじぞうを、おがみにきたということです。とくに、おこりという病気には、とてもよくきいたということです。

いまでも、八月二十三日のばんには、村人たちが、このおじぞうさんのまわりに集まり、夜のあけるまでおどりあかすということです。

お問い合わせ

情報管理部広報係

電話番号:078-331-9962

ファクス番号:078-331-8022