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ホーム > 学校・授業の教材 > 郷土の民話 > 『郷土の民話』西播編 > 鬼面様〈おにめんさま〉とお椀〈わん〉(山崎町)

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更新日:2012年9月3日

鬼面様〈おにめんさま〉とお椀〈わん〉(山崎町)

大むかし、けわしい山の岩の空どうに「鬼面様〈おにめんさま〉」が住み、付近の人たちにお椀〈わん〉を貸してくれました。
村の人たちは婚礼〈こんれい〉などお祝いごとをしたり、葬式〈そうしき〉などするとき、お椀〈わん〉がほしければ、鬼面様の住む空どうの入口に、必要なお椀の数〈かず〉を紙に書いておくと、あくる朝には間違いなく希望数のお椀が空どうの前にきっちりそろえて置いてありました。
貸してくれるお椀の数は、百人前でも二百人前でも村の人たちの望みどおりで、りっぱな黒塗〈ぬ〉りのものでした。お椀を借〈か〉りた人たちは用済〈ず〉みになれば、きれいに洗〈あら〉ってもとの空どうの入口に返しておくと、どこへしまわれるのか夜のうちにお椀はすっかり消えていました。
こうしたことが何度も何度も繰〈く〉りかえされ、村の人たちは鬼面様に大へんな恩恵〈おんけい〉をうけていました。
ところがある時、鬼面様からお椀を借りていた人が、誤〈あやま〉って一人前のお椀をこわしてしまいました。正直にこのことを鬼面様にわびればよかったのですが、この人は「たくさんのお椀〈わん〉の中で一つくらいこわれてもわかるまい。」と、たりないままお椀〈わん〉を空どうの前に返えしました。
あくる朝、いつものようにお椀はすっかり消えていましたが、それ以後村の人たちがいくら頼んでも、お椀は貸してもらえなくなりました。
鬼面様が住んでいたという市場地区の山には、切り立った岩の下に今も祠〈ほこら〉があります。

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