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ホーム > 学校・授業の教材 > 郷土の民話 > 『郷土の民話』西播編 > ご飯を食べないお嫁さん(相生市)

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更新日:2012年6月20日

ご飯を食べないお嫁さん(相生市)

昔ある山里に、ひとり者の若い男が住んでいました。いよいよお嫁〈よめ〉さんを貰う〈もらう〉ことにきめました。仲介人〈なこうど〉から、「ご飯を食べないで、よく働くお嫁さんを世話しよう。」といわれて大へんよろこんでいました。そのお嫁さんがきてみると、ご飯を少しも食べようとしません。台所のことは一切〈いっさい〉お嫁さんにまかして、自分は山へ出かけて朝から夕方おそくまで働きました。

それから半歳〈はんとし〉も経った〈たった〉ある日のこと、男は、こっそりと米倉〈こめぐら〉に入ってびっくりしました。米俵〈こめだわら〉がごっそりと減〈へって〉いるのに気がついたからです。
「もしかすると、ご飯を食べないというのは、うそだったのだな。」
ある日の朝、男は山へ出かけるふりを見せて、わが家の天井〈てんじょう〉にのぼり、天井の柱のかげにかくれて、下のようすをうかがっていました。すると、ものの一時間もしない間に、お嫁さんは、米倉から米をとり出してきました。
「やれやれ、これからゆっくりごはんを焚いて〈たいて〉食べよう。」
とひとりごとをいって、窯〈かまど〉の下を焚き〈たき〉出しました。煙突〈えんとつ〉もないほどの小さな家だから、やがて家の中が煙で一ぱいになりました。お嫁さんは、どんどんと生木〈なまき〉をくべて焚きます。天井には黒煙が立ちのぼっていきました。天井の男は、たまりかねて、とうとう、咳〈せき〉をしてしまったのです。
「はくしょん、はくしょん。」
この声を聞きつけたお嫁さんは、天井をにらめつけて、「誰だ。そこにいるのは。泥棒〈.どろぼう〉の奴〈やつ〉おりてこい。」と大きな声で叫びました。奴鳴られて〈どなられて〉男は、あきらめて、下におりて自分のお嫁さんにあやまったということです。

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