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ホーム > 学校・授業の教材 > 郷土の民話 > 『郷土の民話』淡路編 > 蛇〈じゃ〉すり石〈いし〉(三原町八木)

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更新日:2012年12月31日

蛇〈じゃ〉すり石〈いし〉(三原町八木)

三原町八木馬廻〈みはらちょうやぎうままわ〉りの成相寺〈なりあいじ〉は鎌倉時代のものでありますが、仁治〈にんじ〉四年(一二四四年)、高野山の僧実弘上人〈じっこうしょうにん〉が淡路にこられて、大きな規模をもった寺を高野山にならって建てました。特に小高野とよばれました。
しかし、このお寺が深山幽谷〈しんざんゆうこく〉に建てられたため、雨が降ると、境内〈けいだい〉が池のように水がたまって難じゅういたしました。上人〈しょうにん〉はこのことを心配して、自分の命を縮めてもなんとか水のよくはけるようにと、三七、二十一日の祈祷〈きとう〉をいたしました。

ちょうど満願日〈まんがんび〉、昨夜から降り出した大雨は、見事な水をたたえて境内〈けいだい〉一ぱい寺の床〈ゆか〉にもとどかんばかりでした。
最後のお祈りをして出てきた上人〈しょうにん〉は、寺の縁〈えん〉に立って、この見事な水面をながめておりますと、一人の童女〈どうじょ〉がこの水面にぽっくり表われ、滑るように近づいてまいります。上人〈しょうにん〉はじっと童女〈どうじょ〉を見つめて合掌〈がっしょう〉いたしますと、童女〈どうじょ〉はにっこり笑って立ちどまり、「水を引かせて進ぜよう。」というやいなや、一天にわかにかきくもり、もうもうたる水煙とともに童女〈どうじょ〉の姿が消えたかと思うと、大きな大蛇〈だいじゃ〉となって成相〈なりあい〉の谷へ下っていきました。
境内〈けいだい〉の水は、みるみる減少して、美しい赤土があらわれました。
上人〈しょうにん〉が大いに喜び、山門に出てみると、深さ五メートル余り、長さ百メートルにわたっての谷の石がすりとられていました。

その後、境内〈けいだい〉には水のつくようなことはありません。
山門の前の橋の下には、蛇〈へび〉のうねりに似た渓谷〈けいこく〉が今も清流となって源氏〈げんじ〉ボタルの名所となっています。

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