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ホーム > 学校・授業の教材 > 郷土の民話 > 『郷土の民話』淡路編 > 下司〈くだし〉の馬子唄〈まごうた〉(津名町塩田)

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更新日:2012年12月31日

下司〈くだし〉の馬子唄〈まごうた〉(津名町塩田)

馬よはよいけ しんとくとくと
宿へついたらまめかまそ

よいぞよそうよ いやならよそよ
おらが馬子料 いやでそろ

いろでまよわす 浅づけなすび
声でまよわす ほととぎす

江戸時代は全国のお殿様が参勤交代〈さんきんこうたい〉のために自分の国と江戸にあるお屋敷とを上り下りした頃、本陣やといの馬子たちが歌った唄〈うた〉を語り伝えたものです。
淡路の本街道が、塩田浦から下司〈くだし〉を通り、安乎〈あいが〉、中川原を通って三原街道に出ていた江戸時代のことです。これに下司の大名行列がつけ加えられたようです。
毎年四月十三日下司組八幡神社のお祭りに、クラブからお宮さんまで約一キロメートル余りの道をしずしずと進んでいきます。
歌詞も単調でくり返して歌いますが、浄るりの中のさわりや、また五月頃お巡礼〈じゅんれい〉さんが、りんを鳴らして、となえる詠歌〈えいか〉も取り入れたりしています。
馬子唄はお祭りが近づくと毎日練習をします。年のいった先ぱいさんが若い人につぎつぎ教えていきます。唄は若い人はすぐおぼえますが、装束(しょうぞく)がまた大へんです。前日になると、鉄砲、毛やり、ハサミ箱、大がさなど三百年の伝統をもつ道具がならべられ持つ人がきめられます。テレビなどでよく見る本物のチョンマゲも若い人の頭につけられます。
いよいよ当日、しりきればんてんに三尺帯、紅白だんだら、二間白毛の毛やりもやっこ姿の先頭の人の手ににぎられます。きりりとしたあっぱれな姿は映画を見るようです。
次にハサミ箱、鉄砲、大鳥毛やり、大がさ、立がさの順で馬上にゆうゆうとのる大名を一番しんがりに、大行列がしずしずと進んでいます。
のどかな下司の田園の中を進む大名行列は一ぷくの絵巻物のようです。この伝統をほこっていた行事も近年、経費のつごうで休んでいることは、大へん惜しいことです。

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