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豊かな自然に恵まれた風光明媚な土地柄と、神社仏閣をはじめ歴史的な景観が点在する奈良は、古くから詩歌や文学、芸術の題材とされ、文人たちをも魅了する憧憬の地として知られてきました。明治時代に入ると、信仰と結びついた奈良の文化が改めて評価される中で、美術や行政に携わる人たちが盛んに訪れるようになり、古都・奈良の地にも徐々に新時代の息吹が芽生え始めます。大正時代から昭和戦前期にかけては、奈良の歴史や文化財に関する調査・研究も進展し、その魅力が広く浸透するとともに多くの文化人が集い、往来するようになりました。また、こうした動向は奈良の人々をも刺激して、両者は互いに交流を重ねながら時にはコミュニティーを形成し、地域文化の興隆を促しました。 本展では、美術家をはじめ研究者や文学者から美術行政家まで、奈良に足跡を残した人々を、「第1章 近代の息吹〜對山楼に宿る人々」、「第2章 華開くモダン〜高畑界隈の人々」の2章により紹介します。美術を通じて展開された、これら文化人たちの活動を概観することで、奈良と美術との関わりを検証すると同時に、独自の文化が華開いた近代奈良の一面に目を向ける機会となれば幸いで…
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大阪歴史博物館では、令和8年(2026)1月14日(水)から4月6日(月)まで、特集展示「郷土玩具が好き―風土と造形の愉しみ―」を開催します。 郷土玩具は、各地の民間信仰や習俗と結びつきながら、紙や木材など身近な材料を使用して作られた、まさに風土を反映した造形物といえます。素朴で可愛らしいだけでなく、地域の歴史・文化を感じとることができるのも、郷土玩具の魅力のひとつです。 本展では、当館が所蔵する全国の郷土玩具を、素材やモチーフ、造形に込められた祈りに注目して紹介いたします。はじめて見るはずなのにどこか懐かしい、そんな郷土玩具の数々を愉しんでいただければ幸いです。
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シリーズ展「仏教の思想と文化―インドから日本へ―」では、インドで誕生した仏教がアジア全域に広まり、日本社会にも根づいていく約2500年の歩みを、大きく「アジアの仏教」と「日本の仏教」に分けて紹介します。 また、特集展示として「ギリシア・ローマ文化と仏教」を開催します。 現在のパキスタン北西部を中心とするガンダーラ地域には、ギリシアやローマ、そしてペルシアといった西方の文化が絶えずもたらされました。この地域の仏教も強くその影響を受け、仏教美術の中にも西方の神々の姿を見つけることができます。今回の特集展示では、前2世紀〜後5世紀頃のガンダーラや中央アジアに認められる西方の要素を取り上げ、当時の仏教を発展させた多様な文化的土壌を紹介します。
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「イマジュリィ(imagerie)」は、イメージ図像を意味するフランス語です。 本展では、本や雑誌の挿画、装幀、絵はがき、ポスターなど大衆的な印刷物や版画の総称としてこの言葉を用いています。大衆文化が隆盛した大正時代には、印刷技術の革新を背景に出版文化が発展しました。藤島武二(1867?1943)、橋口五葉(1881?1921)、竹久夢二(1884?1934)ら当時新しい表現方法を模索していた画家たちも、同時代の美術界の動向と並走しながら、独自の表現を次々に生みだします。こうした動きのなかで、やがて杉浦非水(1876?1965)をはじめとする多くのグラフィックデザイナーが誕生し、モダンデザインに大きな影響を及ぼしました。 本展では、監修者である山田俊幸(1947?2024)の貴重なコレクション約320点を展覧し、多彩なデザインやイラストレーションをご紹介いたします。大正時代を中心に日本のくらしに花咲いた魅力あふれるイマジュリィの世界を、大正から昭和にかけての建築「大山崎山荘」をもつ当館でぜひご堪能ください。
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シュルレアリスム(超現実主義)は1924年にアンドレ・ブルトンが定義づけた動向で、「これまで無視されてきたような種々の連想における高次のリアリティと、夢の全能性への信頼に基づく」ものとされています。無意識や夢に着目したフロイトの精神分析学に影響を受けて発生しました。幻想的雰囲気、日常的事物を覆う不穏な空気、オートマティスムなど、シュルレアリスムにおける表現の形態に一定の傾向を見出すことも可能ですが、シュルレアリスムとは表現の様式をいうものではなく、前述の「高次のリアリティと、夢の全能性」への信頼に基づいた、あらゆる創造行為をさすものでしょう。芸術的革命をもたらしたシュルレアリスムは共産主義やアナーキズムなど政治的要素をも内包する一方で、広告やファッション、インテリアなど日常に密接した場面にも拡がりをみせ、社会に対して政治、日常の両面からアプローチしたといえます。 シュルレアリスムが芸術のみならず社会全体に影響をもたらしたことは今日においてもなお特筆に値するものです。シュルレアリスムの発生から約100年を経た今、本展覧会は日本国内に所蔵されている多様なジャンルの優品を一堂に会し、シ…
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兵庫陶芸美術館は、全但バス株式会社社長の田中寛氏(1904〜81)が収集した丹波焼(丹波篠山市など)と兵庫県内産の陶磁器のコレクションを引き継ぎ、2005年、丹波焼の里に開館しました。 丹波焼は、平安時代末期に常滑焼(愛知県)など東海地方の窯業技術を取り入れて操業を開始し、中世には壺・甕・擂鉢を中心に無釉の焼締陶器を生産しました。この時期に作られたものは、焼成によって茶褐色に発色した土肌や窯の中で燃料の薪の灰が器肌に降りかかり、それが溶けてガラス化することによって現れた鮮緑色の自然釉が見どころとなっています。 近世には、窖窯から登窯へと窯の構造が転換し、土部の塗布や釉薬の施釉など、多彩な装飾技法を取り入れて色鮮やかな世界を展開しました。江戸時代前期には、赤茶色に発色する赤土部や緑がかった褐色の灰釉が器面を彩りました。江戸時代中期には、茶色の栗皮釉や漆黒の石黒釉が生み出されました。また、江戸時代後期には、精緻な薄手の器に白土を塗土した白丹波が作られました。各時代の求めに応じて変化してきた丹波焼は、2017年に日本六古窯の一つとして日本遺産に認定され、2018年には田中寛…
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「映像×音楽×香り×食」感じるアート体験! ●クリムトが描く“黄金の世界”に360度包まれる空間 ●モーツァルトなど、ウィーン出身作曲家をはじめとする大音量のクラシック音楽 ●クリムトの作品をイメージして調香した「香り」がお出迎え ●ウィーン出身のクリムトも楽しんだ味かもしれない?コラボの企画チケットも販売予定! *企画チケットは詳細が決まり次第公式HPなどで発表! 彼が描く”黄金の世界”は、官能的で妖艶なエロスと同時に、どこか不安と死を感じる魅惑的な絵画で、当時多くのハイソサエティな女性たちをとりこにし、今なお世界中の人々に愛されています。 伝統を打ち破り、女性の力と装飾美を探求し、新しい芸術表現の形を模索した、クリムトの”黄金の世界”を旅する「クリムト・アライブ」は、没入型展覧会「ゴッホ・アライブ」、「モネ&フレンズ・アライブ」などを手掛けるオーストラリアの企画会社、Grande Experiences(グランデ・エクスペリエンセズ)が企画・制作した待望の新作。 金箔をふんだんにつかった日本の美術(琳派など)に影響を受けたクリムトの傑作の数々が、360度囲む巨大…
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アクション・ペインター白髪一雄の妻・富士子の歩みを回顧します。 白髪富士子(旧姓 植村)は、1928年に大阪市南区順慶町通(現・中央区南船場)で時計店を営む商家に生まれました。 高校卒業後の1948年、20歳の時に3歳年上で京都市立美術専門学校の卒業を間近に控えた白髪一雄と結婚し、翌年に長男を出産します。 子育てをしながら白髪の絵画制作を間近に見るうちに、自身も創作に目覚めて作品制作を始めました。 1955年に白髪とともに前衛美術グループ「具体美術協会(具体)」に入会すると、具体美術展や芦屋市展を発表の場として本格的に制作発表を行います。富士子は和紙やガラスなど繊細な素材を作品に用いて注目を集めました。 しかし、白髪一雄の評価が高まり多忙となったことから、富士子は1961年に自らの創作活動に終止符を打ち「具体」を退会。以降は自身の創作活動を一切行わず、白髪のアクション・ペインティングを補佐し、長きにわたり二人三脚で制作に励みました。2008年に白髪が亡くなってからは静かな余生を過ごし、2015年に86歳で亡くなりました。 白髪富士子の研ぎ澄まされた感性は、残された数少ない作…
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大阪歴史博物館では、令和7年(2025)11月5日(水)から令和8年(2026)1月12日(月・祝)まで、8階特集展示室において、特集展示「デザインの玉手箱・鐔」を開催します。 刀剣の外装を彩る鐔は、刀装具のなかで最も目立つ金具です。特に鉄の透鐔(すかしつば)にはさまざまな趣向を凝らしたデザインが施されています。 当館では、平成30年(2018)度に、関西最大級の刀装具コレクターであった勝矢俊一氏(1895〜1980)旧蔵の刀装具類927点の寄贈を受けました。 本展では寄贈された勝矢コレクションの刀装具から、透鐔のデザインに着目し、未公開作品を含む約40点を展示します。直径10センチにも満たない世界に繰り広げられるデザインの妙をお楽しみください。
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美術家・田部光子(1933-2024)は1961年に記した短い文章において「大衆のエネルギーを受け止められるだけのプラカードを作」り、その「たった一枚のプラカードの誕生によって」社会を変える可能性を語っています。過酷な現実や社会に対する抵抗の意思や行為、そのなかに田部が見出した希望は、同年発表された作品《プラカード》に結実しました。 「プラカードの為に」と題されたこの文章は、作品が生まれるまでの思考の過程を語ったものであると同時に、社会の動きを意識し活動するひとりの美術家の宣言としても読むことができます。「たった一枚のプラカード」とは、行き場のない声をすくいあげ、解放の出発点となるような、生きた表現の象徴でもあるのです。 田部の言葉と作品を出発点とする本展覧会は、それぞれの生活に根ざしながら生きることと尊厳について考察してきた、田部を含む7名の作品で構成します。各作家は、これまで社会に覆い隠されてきた経験や心情に目を凝らし、あるいは自ら実践することで、既存の制度や構造に問いを投げかけます。彼女・彼らの作品を通じて、私たちを取り巻く社会や歴史を見つめ直し、抵抗の方法を探りながら、表現す…
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一般財団法人 兵庫県学校厚生会
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