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3月
春は「くぎ煮」
海辺に立つと、まだまだ厳しい寒風が吹きつけています。
キラキラ輝く波の乱反射が、
まぶしさの中に柔らかさを感じられる季節となりました。春はイカナゴ新子のシーズン、
不漁の日は漁師、魚屋さんはもちろんイカナゴを求める方々の目が
真剣を通り越し、殺気だってきていると感じる近年ですが
振り返ると想い描かれる光景は少々異なります。
20年ほど遡って「くぎ煮」が今のように爆発的人気になる前
各地で漁協がくぎ煮教室を開催すると、それはもちろん大人気。
佃煮が家庭で作れるのですから料理好きな方には
「目から鱗」だったのでしょう。
自分流の味を創りだすことが出来、たくさんの友人に味わってもらえる
気軽でありながら本格的な料理として満足感が高かったのだと思えます。

そこから10年ほど経過した頃には
くぎ煮教室を開催しても受講者数は伸びません。
すでに充分すぎるほど広まっていたのです。
参加される方々は初めて炊くというよりも
自分の炊き方を確認するためだったり、
自分の炊き方を自慢するために参加しているなど
様相は変わりました。
近年、明石・神戸など産地から離れるほど人気は高く、
今後も関西圏では「くぎ煮」文化の広がりを予想できます。
小さな魚にみなぎるパワー、イカナゴ人気に陰りは見えません。
播磨灘、大阪湾を代表する関西の食文化として
これからも作り続けられることでしょう。
御中元・御歳暮とは違う季節の挨拶、今年も自分流の味で遠方の御友人に
春の知らせを届けてあげてください。

2月
魚を知らない子供たち
海から、産地の者として
学校へ呼ばれることがあり
子供たちに、漁や魚・食べ方などを伝えたい想いから、出向きます。今の時代、やはりというべきか
子供たちは、見事に魚のことを知りません。
「明石でなにが獲れると思いますか?」
の、問いに「トロ」「サーモン」「イクラ」などなど
返ってくる応えは、小・中学生とも変わりない様に思えますし
大人に同じ質問をしても、同じだろうかと不安になります。
どうやって知ってもらおう?
経験に勝るものはないのですが
明石には観光漁業もありませんので
食べてもらうのが1番。この魚はどんな姿をしていて今の季節美味しいのか。
種類や味を比較しながら食べることにより新たな発見があり
その差について「なぜ違うのか」考えてもらう。
自分で味わった味の差が頭の中で順序づくと
その知識はいつまでも残るでしょう。
「あの時、美味しかったよ」と。
そんな経験を出来るだけ子供のうちにして欲しい、
美味しい食材に出合って欲しいと、
産地は願うばかりです。span>
1月
正月の睨み鯛同様、お祝い事に鯛はかかせません。
せっかくのお祝い事だから明石鯛を使って祝いたい。
しかし鯛は水温が下がると自分たちの棲める水温帯へと移動します。
表層水温は下がってきますので海峡深くか、
南方の海域へと移動するのです。
少なくなった鯛を狙って漁へ行くと、不漁どころではなく、
全く水揚げがなくなりますので漁師たちは鯛漁をあきらめます。
ある日突然、明石に鯛の水揚げがなくなるのです。
それは例年12月頃
水温が高い年は年末を超えて1月に水揚げされる時もありますが、
水温降下が早い年は12月に入ると鯛の姿が消えます。
毎年状況は違いますが、それが自然なのです。
「無い時は無い」はずなのですが
近年「無い時はない」
「ない」がいつの間にやら「ありません」の意味に変わってしまった。
年中同じものを同じ様に手に入れ味わうことが出来る現在
あえて欲しいものが手に入らない「旬」を受け入れるための
少しの我慢が必要だと思われます。

12月
夕闇の訪れる時間が日に日に早くなり肌寒い日も増えてきました
空気の透明度が増し、海面を より広く、遠くまで見渡せることからも
冬の到来を感じさせてくれます。
冬の魚といえばマツバガニやフグ、アンコウなど明石には
あまり縁のない魚たちに人気があります。
そんな魚たちのニュースが注目を浴びている一方で、明石の魚たちは
変わりなく 水揚げされています。
明石では冬に旬を迎える魚種は少なめですが、
イイダコやガシラ、カワハギ、ワタリガニ、ナマコなど本来の勢いを取り戻し、
旬を外れたはずのメイタガレイやスズキ、デンスケアナゴなどが
たくさん水揚げされるために 安価で市場に出まわります。
早く暮れた陽によって生まれる時間を利用してたくさんの魚を
いろいろな料理で、味わいとともに調理工程も楽しむ
そんな「季節を感じる余裕」を持ちたいものです。
 
 
A・…カワハギ刺身
B・…酢ナマコ
C・…ワタリガニ味噌汁 D・…イイダコ煮付け
11月
秋に多彩な味
秋本番
日差しの中に、確実にやわらかな光りが含まれる様になり、
水温降下とともに、水揚される魚達の様子も変わってきます。
夏には夏に、秋には秋にしか水揚されない魚もいますが、
ほとんどの魚達は、底曳き網漁で獲られることが多く、
旬を外していても姿が消えることなく水揚は続きます。
しかし「旬」時期は、毎日見ていても変化があるほどに
みるみる肥え太り、その動きから生命力を感じさせてくれます。
明石の秋には タチウオ、サワラ、アジ、サバ、ハマチ、タイ、ハリイカ、
新物のカワツエビなどなど激しい動きで 勢いを感じさせてくれる魚達が多く、
食欲の秋ならではの、味と香りを楽しませてくれます。
サ バ
タ イ
タチウオ ハリイカ
四季を追って味を楽しむことが出来る私達は、
幸せであることを忘れてしまうほど、明石の魚達は多彩なのです。
恵まれた海に感謝!!
10月
明石のサンマ?
「明石にサンマはいません!」
"明石家さんま" さん のイメージが強いようで、明石=サンマの産地と連想されるのでしょうか?
「明石のサンマは美味しいの?」と聞かれることもありますが、明石にサンマはいないのです。

アザラシが川に出没したというニュースを聞くたびに、地球環境が変化しているのだと心配させられます が、浜のセリ場にいると、同じ様な光景を目の当たりにします。今までは見ることの出来なかった魚を見かけ驚かされるのです。
地球温暖化の影響でしょうか?南の海に生息する魚達が姿を見せます。
サメ マグロ ミノカサゴ イザリウオ・・・ などなど
子供に人気の熱帯魚ニモ(カクレクマノミ)が現れないことを祈りたいなどと、
冗談めいたことを言いながらも
反面、寒い海のイメージであるサンマを今年初めて目撃
たった1匹でしたが、セリ場では驚きの声があがりました。
9月
明石のあちこちで 元気なタコの姿を見かけます。
フェリーやバスに キャラクターとして描かれることの他、 食べ物や製品などにも、イメージだけでなく、姿を模写したものなど、たくさん見かけることが出来るのは、それだけタコが明石では、誇れる名産として親しまれている証です。
同じ明石という名を付け、タコより高級と思わせる「明石鯛」よりも、 明石タコの方が多く感じられるのは、より庶民的で、親しみやすいのでしょう。
明石のタコは夏に旬を迎えます。
美味しく成長し、たくさん水揚されるので、見かけることが増え、食べやすくなります。
近年、不漁の年が続きましたが、今夏の水揚は好調。
セイロや水槽から逃げ走るタコの元気さが、
そのまま浜の活気となり、パワーを与えてくれるのです。

8月
浜家庭の軒先や 漁船にぶらさがる干しだこがゆるやかな風を受け、ゆらりと揺れる光景は 昔ながらの 夏の浜風景です。
たこめしの材料として味わうことの多い干しだこですが、その作業時間(手間)から、 日常頻繁に炊かれることはなく、浜では酒の肴として、スルメの様に食べられるのです。
また、漁師らしい食べ方として、ごはんの味付けに用いられていました。
出漁し、港を離れてしまうと、漁師の食事は お弁当だけとなりますが、 特に夏場は、影のない漁船で食中毒が心配ですから、気が使われました。
ご飯に痛みを呼ばない対策として、干しだこを焼いてから薄く削ぎ、 醤油と酒、砂糖を合わせたダシ汁に漬け込んで戻したものを、 ご飯の味付け、おかずとして使われました。
旬のものを使い、工夫して安全に美味しく食べる。
昔の浜家庭の知恵は見習うべき点が多いのです。
7月
乱反射する海面を直視するには、目を細めなければ ならないほどの強い日差しとなることからも、夏を感じさせる季節となりました。
明石の夏は たくさんの魚達が旬を迎え、
美味しさを競演してくれていますが その中でも主役は明石ダコです。
浜のセリ場を這い回る明石ダコは
頭を持ち上げ、太短く力強い足で グイグイと這い回ります 「タコは歩く」と言われる所以です
水揚や、干しだこを作る姿など、
夏を感じさせる季節感あふれる光景は もちろんですが、酢の物や、ブツ切りゆでダコ 刺身に たこめし 多彩な味が楽しみです
夏の暑さに負けない パワフルな姿と、
美味しさから生まれるパワー 私達も見習わなければいけないと思います
「タコの元気に負けるな!」と 旬のタコを味わいながら。
6月 浜言葉

まぜまくってきた
がーいとしもら
よいにどがちゃがした
だんやってこいで すこべたくろとぉ
がちゃめがぐっすらいっとぉ
何気ない浜での会話なのですが、初めて聞く人には理解不能の単語が飛び交っています。
海という世間から離れた職場にでると、無線での仲間との会話はあるものの基本的には孤独。
相手に気を使い標準語の会話を必要としないため、自分の話しやすい言葉を使うことの方が自然なのです。
同じ明石であっても、明石浦 林崎 二見と、浜が違えば言葉も違ってくるからさらに難解。
慣れないとまるで外国語ですが、聴き慣れてしまえば意外やしっくりきたりする、妙な魅力も持ち合わすのが 浜言葉なのです。
(上記浜言葉 文の意味)
南風がきつく吹いてきた
そうとう遠い西
夜(まだ浅い)に大変な騒動であった
一生懸命網を引っ張ったが、何も収穫がなかった
ワタリガニがたくさん獲れた
5月 明石・タコ検定
問題です
問題1 明石で一番多くタコを水揚している漁法とは何か
(1)底曳き網漁 (2)蛸壺漁 (3)延縄漁 (4)船曳き網漁
問題2 タコの好物である「ウチムラサキ」の通称は何か
(1)タイラギ貝 (2)ニシ貝 (3)バカ貝 (4)マンジュ貝
問題3 「海藤花」の読み方は?
(1)うみとうげ (2)うみとうはな (3)かいとうげ (4)かいとうはな
問題4 半夏生にタコを食べる習慣が始まったとされるのは、どの地域か
(1)大蔵谷 (2)播磨西部 (3)播磨東部 (4)二見
問題5 鯛を焼くとき、鰭につける塩のことを何というか
(1)隠し塩 (2)化粧塩 (3)鰭塩 (4)焼塩
何問正解できましたか??これは 明石・タコ検定の問題です
第3回 明石・タコ検定は7月1日に行われます
合格ラインは80%以上正解ですから、4問正解できた方には合格の望みありです
チャレンジしてみませんか?
回答 1-(1) 2-(4) 3-(3) 4-(2) 5-(2)
「一番うまい魚の食べ方 明石 浜の味」
神戸新聞 明石版で連載中の「浜の味」
明石の魚の料理方法 5年分をまとめ 出版することとなりました。
美味しい旬の魚達を楽しむために ぜひ御一読ください。
神戸新聞総合出版センター 1300円+税
明石浦漁業協同組合
山嵜 清張
4月 春告魚
「春告魚」と聞いて
春を感じさせてくれる魚とは
何を想い浮かべるでしょう?
くぎ煮ブームからイカナゴ新子が代表的なのですが
魚の多い明石には 他にも春告魚が存在します
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アブラメ(アイナメ)
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★アブラメ(アイナメ)★
成魚はもちろん、イカナゴ漁に混じって獲れてしまう緑色した稚魚も春ならではの味です。
★クロメバル(メバル)★
日を追って肥えてくる姿が確認できます。「たけのこメバル」という炊き合わせからも春になくてはならない存在ですね。
★アマガレイ(マコガレイ)★
夏に旬を迎えますが、春頃から延縄漁で水揚が増え始めます。煮つけ料理にはかかせませんね。
★フルセ(イカナゴの成魚)★
イカナゴといえば 新子の注目が大きいですが、2月後半から4月までしか獲れない、まさに春限定。
★ワカメ★
やわらかく成長し、春の魚や野菜と相性抜群。浜辺では干しあげる風景が見られます。 |

クロメバル |
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アマガレイ
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フルセ
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明石浦漁業協同組合
山嵜 清張
http://www.akashiura.or.jp
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